ブログ

揉めない遺言書を作成するために

遺族間での相続財産争いを回避するためには、遺言書を書いておくことが重要ですが、欧米に比べ、現代の日本社会では、遺言書を書いている人は多くはありません。

また、せっかく遺言書を書いていたとしても遺言書の形式に不備があり無効になってしまうケースもあるものです。

無効にならず家族が揉めない遺言書を書く、または書いてもらうことが重要なのです。

では、無効になったり揉めるもととなる遺言書はどのようなものなのでしょうか。

形式に不備がある遺言書

遺言書には主に、自筆証書遺言と公正証書遺言がありますが、公正証書遺言で無効になることはほとんどあり得ません。というのは、公正証書遺言は、公証役場で公証人に作成してもらう遺言書だからです。

日本政府は、自筆証書遺言の規制緩和を行って遺言書作成を増やしていきたい方針ですが、形式に不備がおこるのは自分で作成する自筆証書遺言であるといえます。

ご自身の意思を反映するために時間をかけて作成する遺言書なのですから、公証人手数料等が発生するとはいえ、無効になることを防ぐためにも、公正証書遺言を作成することをおすすめします。

また、既に自己流に自筆証書遺言を作成している人は、一度専門家に確認してもらうのも手かもしれませんし、公正証書遺言に書きかえるのもよいかもしれません。

内容に問題がある遺言書

遺産の内容や相続の分配が不明確な書き方の遺言書はトラブルのもととなります。また、財産のすべてを記載しないと、遺言書に載っていない財産が見つかった時にトラブルになりやすく、またその部分についてだけ遺産分割協議を行わなければならないという羽目に陥ります。

公正証書であっても、財産の一部が載っていないことまでは、公証人にはわかりません。

<財産に変動がありそうな時の遺言書の記載例>

もし今後財産の変動がありそうな場合やすべての財産の把握に不安がある場合には「本遺言書に記載なき財産については長女○○へ相続させる」といった内容を書いておくとよいでしょう。

<財産の分け方に差が大きい場合>

遺言書には「付言事項」(個人的な思いを載せる事項)を書いておくことができます。こちらには、財産の分け方に対する思いや家族への感謝の気持ちを書いておくことをおすすめします。そのことで、不公平な分け方に対する故人の気持ちを理解することができ、また、感謝の気持ちを表してもらうことで、感情面の行き違いが緩和されトラブル回避につながります。
・長女には介護で世話をしてもらったから

・長男には住宅購入の頭金を払ってあげたから

など、相続人にあげる遺産を増やしたり減らしたりする理由を明確に文書にすることで、揉めにくい遺言書になるのです。

特に、遺留分を侵害する場合は、納得する理由を書いておくことが大変重要となります。

大切な家族を争族にすることのないように十分配慮した遺言書にしたいものです。

関連記事

ページ上部へ戻る