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認知症の方がいる場合の相続手続きは法定相続もあり得る

成年後見人制度を検討する前に

成年後見人制度は、意思能力のなくなった方の財産を守ることのできるとてもよい制度ではありますが、よく考えないまま安易に利用すると後悔することもある制度です。

特に、遺産分割をしたいがために成年後見制度を使うことには注意が必要です。なぜなら、成年後見人となった方は基本的に本人が死ぬまで一生涯その方の財産を管理し続けなければならず、毎年、裁判所に対する財産状況の報告といった面倒な事務手続きが発生します。「遺産分割」という目先の問題が解決した後は、報告が面倒で嫌になったとしてもやめることはできません。

また、弁護士や司法書士など専門職後見人が選任されてしまった場合には、本人が死ぬまで毎月数万円の報酬を払い続けなければいけないという大きな問題が生じます。
意思能力がなくなった方は、投資も含め自身で資産を増やすことができませんし、年金や今ある財産を切り崩しながら生活をしていくことになります。
歳を取るにつけ医療費もかかるでしょうし、施設に入ることになれば施設の入居費や月々の支払いも必要となります。
そんな中、毎月数万円もの費用が成年後見制度を利用することでかかるようになるわけです。成年後見人への報酬は、財産価額等により裁判所が決定しますが、仮に月3万円が10年続いたとして340万円もかかることになります。

 

成年後見制度はどのようなケースで必要なのか

意思能力のなくなった方の財産管理を行うのが成年後見人です。病気等で急な出費が必要となった場合でも、すぐに本人の財産から対応ができます。また、施設に入らなくてはならなくなってしまった時も自宅を売却して資金化することができるのも成年後見人です。

成年後見は、意思能力がなくなった方の財産を守るためにとても重要な制度といえますので、ご本人のためを思って成年後見制度を考えているなら、相続を機会に検討してみてもいいかもしれませんが、単に遺産分割をしたいからというためだけに成年後見を使うのは、あまりに安易な考え方です。今後の生活のこともしっかりと考えて慎重な判断をしていかなくてはいけません。

 

遺産分割協議をせずに法定相続という選択肢

相続手続きは、必ずしも遺産分割協議をしなければならないわけではなく、法定相続分通りに分け合うこともできます。
認知症等の方がいる場合には、安易に成年後見人をつけて遺産分割協議をしなくても、法定相続を検討してもいいケースもあると考えられます。
とはいえ、遺産に不動産が含まれる場合や相続税申告が絡む場合に起きる問題点もありますので、必ず一度は専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。

 

認知症の方がいる相続手続きの相談は高田馬場のひろせゆき行政書士事務所まで

法定相続人の中に認知症等の方がいる相続手続きは、どのような方針で進めていくのかが重要となります。

法定相続で進めて問題はないのか、それとも成年後見制度を使って遺産分割協議を行うしかないのか。

まずはお電話またはお問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。

判断能力のない方が法定相続人にいる場合は、必ず遺言書を作ることをお勧めします。

 

 

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