ブログ

財産分与における財産別分け方

夫婦の協力によってできた共有財産を分けることを財産分与といいます。

基準は1/2とされますが、それぞれの夫婦によって任意に決めていきます。

現金・預貯金

現金や預貯金は、数字が明らかに出るので、単純に分けられる財産です。

分与割合に応じた金額を、自分名義の銀行口座に移すだけで完了します。

現金・預貯金の財産分与は、簡単であるというだけでなく、原則的に非課税であるという大きなメリットがあります。

*ただし、異常に額が多い時や、贈与税や相続税を免れるための税金対策とみられるような場合は贈与税が課せられることもあります。

株式

株式や日々評価が動いていますが、通常は、離婚成立時の評価額を基準とします。
ただし、別居していた場合は、別居開始時点の評価額を基準にする場合もあります。
株の評価額が購入時よりも上がっている場合は、株券の名義人(株券を譲る側)に譲渡所得税が課せられます。

分与の方法

分与の方法としては、大きく分けて次のふたつがあります。

①株券をそのまま現物で分与

②現金に換えて分与等

 

退職金

退職金が既に会社から支払われている場合

姻期間に対応する金額部分だけが財産分与の対象になります。

夫が勤続年数30年で1500万円の退職金、妻は専業主婦、婚姻期間は20年、財産分与1/2

1500÷30×20×1/2=500

➡妻の財産分与は500万円

退職金がまだ支払われていない場合

定年退職が間近で退職金がほぼ確実に支払われることになっている場合は、財産分与の対象に含めるのが一般的ですが、退職がまだ先で退職金が支払われることが不確実な場合は、対象とならないこともあります。

 

生命保険

離婚前に満期を迎えている生命保険については、夫婦どちらの名義の生命保険であっても、財産分与の対象です。

結婚してから入った期間が対象となるため、結婚前から入っている保険の場合、現在の解約返戻金額-結婚した時点での解約返戻金額が、財産分与の対象となります。

財産分与の時に保険を解約しない代わりに、解約返戻金相当額の財産を取得した、という扱いにすることもあります。

掛け捨て型の保険は、財産分与の対象にはなりません。

子ども名義の預貯金

原則的に、子どもの将来や教育のために、夫婦の協力によってできた収入から貯めていた子ども名義の預貯金は、財産分与の対象となってしまいます。
財産分与の対象になるとはいえ、もともとは子どもの将来や教育のために使うために積み立ててきた預金です。
できれば、親権を得た親が責任を持って管理して、子供の将来のために使えるようにしたいものです。
親権を取った親に使われてしまわれないか心配な時は、養育費に上乗せして月々払っていくという方法や、入学の時期に支払われるような保険商品を購入するという方法もよいかもしれません。

対象となる子ども名義の預貯金

  • 夫婦の収入から貯めていた預貯金
  • 児童手当等の公的な給付等

対象とならない子ども名義の預貯金

  • お年玉やお祝い金
  • 子どもが自分で貯めたお小遣い等

借金における財産分与

基本的には、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も、夫婦共有の債務であれば、財産分与の対象となります。

財産分与の対象となる債務

名義はどちらであれ、夫婦共有の債務が対象となります。

  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • 教育ローン等

財産分与の対象とならない債務

家族の生活とは関係のない、個人の借金等は、対象となりません。

  • 結婚前からの借金
  • ギャンブルなど個人的な借金
  • 貴金属や高級外国車など生活レベルに不相応な個人的贅沢品のための借金
  • スキルアップのための学費や個人の仕事のための借金等

財産の分け方

財産分与の際には、プラスの財産総額からこれらの債務を差し引いて、残った財産を分け合うことになります。

債務がプラスの財産を上回る場合でも、共有の債務は夫婦両方に返済の責任があるので、夫婦で協議して負担しあうことになります。

連帯保証人になっている場合

夫婦の一方が、家族の生活とは関係のない個人的な借金をしている場合でも、もう一方が連帯保証人になっている場合は、離婚後であっても、その責任から免れることはできませんので、債権者から求められれば、本人の代わりに返済する義務があります。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。







関連記事

ページ上部へ戻る