ブログ

年金分割の手続きの流れ

年金分割の手続きの流れ

年金分割には、離婚(合意)分割と3号分割の2種類があります。

それぞれの年金分割の手続きの流れを見ていきましょう。

離婚分割も3号分割も、請求期限が原則離婚から2年しか請求できないため、期限に気を付けるようにしましょう。離婚時に離婚協議書に記載しておくことよいでしょう。

離婚分割(合意分割)

Step1 年金分割のための情報通知書を入手する

どのくらいの割合で分割するかを協議あるいは裁判で決定するために、必要な年金情報をまとめたのが情報通知書という書類です。

情報通知書の上限は50%で、情報通知書には「〇〇%を超え、50%以下」と記載されていますが、これを按分割合といいます。

按分割合は、当事者や裁判所が自由に定めることはできないもので、範囲が法律で定められています。

標準報酬総額が多い者は第1号改定者少ない者は第2号改定者と呼ばれる。

請求者 当事者のどちらか
請求先 会社員:地域の年金事務所、年金相談センター
国家公務員:国家公務員共済組合、共済組合連合会本部
地方公務員:共済組合、全国市町村職員組合連合会、地方公務員共済組合連合会
請求に必要なもの
  • 年金分割のための情報提供請求書
  • 請求者の年金手帳もしくは基礎年金番号通知書
  • 婚姻期間を確認できる書類(市区町村の証明書もしくは戸籍謄本など)
  • 事実婚関係の場合は、それを明らかにできる書類(世帯全員の住民票の写しなど)
  • 国民年金第3号被保険者加入期間証明書
受取り 1週間程度で郵送
*公務員等は、1ヵ月程度かかることもあり
備考 情報通知書は、婚姻中に請求すると請求者のみに届き、離婚後に請求すると、元妻・元夫の両方に交付される。
Step2 年金分割について当事者間で話し合い
Step3 合意した場合は書面を作成

「年金分割をすること及び請求する按分割合について合意している」旨を記載し、当事者自らが署名した書面を作成します。これは、その他の取り決めと共に、公正証書にて作成することをお勧めしています。

Step4 合意できなかった場合は家庭裁判所に申立て

当事者の一方が、家庭裁判所に申立てをし、①~③の手続きに従って按分割合を決定します。

①家事審判手続き:審判
②家事調停手続き:調停証書
③人事訴訟の手続き:判決

3号分割

厚生年金に加入している会社員や公務員等(第2号被保険者)の配偶者で、年収130万円未満の者(専業主婦等)は、第3号被保険者と呼ばれています。

平成20年4月1日以降の第3号被保険者であった期間にについて、被扶養配偶者として第3号被保険者であったものの請求により、自動的に1/2(固定)に分割することができます。(*事実婚でも、第3号被保険者であった期間については同じ取り扱い)

請求者 第3号被保険者であった者
請求先 社会保険事務所
請求に必要なもの 標準報酬改定請求書
年金手帳(厚生年金)または基礎年金番号通知書(共済年金)
戸籍謄本
事実婚の場合は、事実婚があったことが明らかになる書類(世帯全員の住民票の写しなど)住民票*事前に社会保険事務所に確認が必要
受取り 元妻と元夫の両方に郵送
備考 ・3号分割は、当事者間の合意や裁判手続は不要

・離婚分割よりも簡単な手続により、年金分割ができるが、平成20年4月1日以降の期間についての分割なので、平成20年3月31日以前に結婚している場合には、離婚分割の方が金額は増える場合が多くなる。

尚、離婚分割も3号分割も、請求期限が原則離婚から2年とされているため、期限には十分気を付けましょう。

 

離婚協議書の作成サポートは、ひろせゆき行政書士事務所まで

離婚協議書は、相手が支払いの約束を守らなかった時に、裁判所の判決を得ることなく即座に強制執行して金銭を回収できる効力を持つ公正証書で作成しましょう。

女性行政書士が、女性の立場に立って親身に対応いたします。

新たな生活がよりハッピーなものになるよう、一緒に考えていきましょう。

関連記事

ページ上部へ戻る