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法定相続情報証明制度

相続

相続人間で相続財産が確定すると、相続人は下記のように各財産の相続手続きをしなくてはいけません。

預貯金: 銀行や郵便局で被相続人口座の解約・名義変更・他の相続人に送金

不動産: 管轄する法務局に相続登記

株式 : 証券会社に移管手続き(特別口座管理の場合は信託銀行)

自動車: 管轄する運輸局で名義変更

これらの相続手続きをするためには、相続人は自身が被相続人の相続人であることを手続き先に証明する必要があります。そのために必要なのは、戸籍謄本、改正原戸籍、除籍謄本などです。

親子間: 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等・相続人の現在の戸籍謄本

兄弟間: 上記の他に、被相続人の親の出生から死亡までの戸籍謄本等

これらすべての書類を各相続手続き先に持参するのは大変なため、平成29年に被相続人と相続人関係を証明する制度「法定相続証明情報証明制度」ができました。

法定相続情報一覧図は、銀行や法務局等の相続手続きが必要な機関に戸籍謄本等の代わりに提出し、相続手続きができるものです。ただ、金融機関によっては対応していない場合もあることも留意しましょう。

 

法定相続証明情報証明制度を利用するには

法定相続情報証明制度を利用する場合、法務局にて手続きをして、法定相続情報一覧図の交付を受けます。申請することができるのは下記の法務局です。

<法定相続情報一覧図発行の申請先法務局>
申請先は、下記の4つの地を管轄する法務局になります。どこの法務局がその地を管轄しているか申請前に確認が必要です。

①被相続人の本籍地:亡くなった時点の本籍地
②被相続人の最後の住所地:被相続人の住民票の除票に記載されている住所
③被相続人名義の不動産の所在地:複数所有していればいずれかの所在地でもOK
④申請人の住所地

必要書類

法務局に相続関係を証明してもらって法定相続情報一覧図の発行してもらうには、次の書類が必要となります。

①被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等

②相続人の戸籍謄本

③被相続人の住民票の除票

④相続人(申出人)の住民票

⑤相続人が作成した法定相続情報一覧図原案

 

手数料と期間

法定相続情報一覧図発行手数料: 無料(郵送の場合は郵送費)

期間: 法務局に申請してから1週間から10日

*戸籍謄本等の取得にも時間がかかるので、法定相続情報一覧図を取得するためには1カ月から2カ月はかかると考えてください。

法定相続情報一覧図の基になる図は、申出人である相続人が作成します。その法定相続情報一覧図に法務局が印を押す形になります。

戸籍謄本等の取得が不要なわけではない

法定相続情報一覧図があれば、戸籍謄本等の提出は不要になりますが、戸籍謄本等の取得が不要になるわけではありません。法務局に法定相続情報一覧図を発行してもらう際に、法務局に被相続人の相続人であることを証明しなくてはならず、その際戸籍謄本等の提出が必要になります。つまり、戸籍謄本等一式を各相続手続き先にその都度提出する必要はありませんが、最初に法務局に法定相続情報一覧図の発行の依頼をする際には戸籍謄本等提出が必要で、当然その提出には戸籍謄本等の取得が必要になります。

 

相続関係説明図

相続関係説明図とは、被相続人の相続関係を証した書面のことで、書類に記載されている内容的には法定相続情報一覧図と大きな違いはありませんが、法定相続情報一覧図と違って、法務局の担保があるわけではありません。

 

法定相続情報一覧図より相続関係説明図の方が良い場合

相続関係説明図だけでは、銀行などで相続手続きをすることができず戸籍等の提出が必要となりますので、相続関係説明図を作成する意味は特に無いように感じますが、法定相続情報一覧図より相続関係説明図の方が良い場合もあります。

①相続手続き先が少ない場合

相続手続きが必要な金融機関が1つ2つで、不動産も自宅だけのような場合のような、手続き先が少ないケースでは、法定相続情報一覧図発行を待っているより戸籍謄本等一式で相続手続きをした方が早く完了します。

②数次相続や相続放棄により相続人の順位に変動があったケース
法定相続情報一覧図は、被相続人の死亡時の相続関係を証する書面であり、あくまで被相続人の相続に限定されます。相続人が死亡するなど、被相続人の相続人にも相続が発生した場合、または、子の相続放棄により被相続人の兄弟が相続人になった場合のような相続人の順位が変更した場合の相続関係を証明することはできません。このような場合は、相続関係説明図で対応した方がよいことになります。

 

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